失業した時に、"会社都合"で退職できると、自己都合の場合よりもかなり大きなメリットがあります。
しかし、残念ながら辞める理由が会社都合になる場合は、よほどのことがないとなりません。
ブラックな企業ほど、会社都合にさせないで自己都合で辞めさせようとするんですよね…。
でも安心してください。
自己都合で無理やり退社させられた場合、あとから会社都合にすることができる場合があります。
今回は会社都合に該当する退職理由と、そのメリット、そして自己都合になってしまった場合でも3ヶ月の待機期間がなくなる方法を紹介していきたいと思います。
超わかりやすい目次(各項目を押すと飛びます)
- 退職の理由で会社都合になる場合
- 以下の理由があるのに、無理やり自己都合にさせられた場合
- 会社が破産した場合
- 大量の離職者が発生した場合
- 自分の在籍していた事業所が廃止になった場合
- 自分の在籍していた事業所がとんでもなく遠い場所に移転した場合
- 整理解雇(リストラ)で失業した場合
- 労働条件が最初に提示されたものとまったく違う場合
- 給料が支払われない場合
- 給料がものすごく下がった場合
- 残業や休日出勤がものすごく多い場合
- 健康障害が生ずるおそれを行政機関から指摘されたのになにも対策をしていない場合
- 出向命令やいきなりの異動が合った場合
- 3年以上働いていて、雇用契約を更新しないと言われた場合
- いじめや嫌がらせ、セクハラやパワハラがあった場合
- 会社が法律違反をしていた場合
- 会社都合のメリット
- 特定理由離職者の条件
退職の理由で会社都合になる場合
以下の理由があるのに、無理やり自己都合にさせられた場合
ちゃんと会社都合の理由があるのに、なぜか離職票には自己都合になっていた…なんて場合はハローワークに相談しましょう。
会社都合で退職する場合、口約束では危ないので、必ず書面にしてもらったほうが良いです。
会社が破産した場合
会社が破産した場合は、ほとんどすべて会社都合になります。
この場合がある意味一番スムーズに会社都合で進むパターンですね。
大量の離職者が発生した場合
会社で大量雇用変動があった場合、例えば、一ヶ月に30人以上の離職者がいる場合や、被保険者の3分の1が離職した場合なども会社都合になります。
自分の在籍していた事業所が廃止になった場合
自分がいた事業所がなくなってしまったタイミングで退職した場合も会社都合になります。
廃止というのは、事業活動が停止し、再開の見込みがまったくない場合も含みます。
自分の在籍していた事業所がとんでもなく遠い場所に移転した場合
さすがにこれを通勤するのはムリだろう…という距離に事業所が移転した場合も会社都合になります。
どれくらい遠いと認定されるのかはハッキリと決まっていませんが、片道2時間くらいかかると可能性大です。
辞めるまえにハローワークに相談してみてください。
整理解雇(リストラ)で失業した場合
整理解雇(リストラ)というのは、会社の経営危機による解雇ということになりますので、これも会社都合になります。
普通解雇(成績不良や適格性の欠如などが理由)の場合は、会社都合なのか自己都合なのか微妙なところです。
ハローワークに相談してみるようにしましょう。
懲戒解雇(とんでもないことをしてしまった場合)は会社都合にはなりません。
整理解雇や普通解雇という扱いになるためには、自分から退職届は決して出してはいけません。
なぜなら、退職届を出したのをいいことに勝手に自己都合にされることがあるからです。
労働条件が最初に提示されたものとまったく違う場合
例えば、採用時に「君の働く場所は東京だけだから!」と言われていたのに、いざ仕事を始めたら、北海道だったなんてことになったら、これも会社都合で退職することができます。
ただ、口約束で書面で証拠が残されてない場合は、もしかしたら認められないかもしれません…。
給料が支払われない場合
給与の3分の1を超える額が支払日に支払われていないことが連続して2ヶ月あった場合には会社都合となります。
もしくは、離職直前から数えて、6ヶ月間の間に3ヶ月ある場合にも有効となります。
給料がものすごく下がった場合
最近不景気だから、給料を減らすねー!と勝手に給与額の15%以上を引かれた場合にも会社都合が適応されます。
とはいえ、給料が下がることが前もってわかっているような場合には会社都合が適応されないことがあるので、これも不安な場合は辞める前にハローワークに聞いてみましょう。
残業や休日出勤がものすごく多い場合
離職直前から数えて6ヶ月間の間に、
連続する3ヶ月で残業時間が月45時間以上、
もしくは1ヶ月で残業時間がトータル100時間、
もしくは連続する2ヶ月以上の期間の残業時間の平均が一ヶ月80時間を超える場合に離職した場合にも会社都合となります。
普通に働いていても、これに引っかかるひとは多いのではないでしょうか…?
※辞めるまえにタイムカードなどの証拠を抑えておいてハローワークに相談してください。
健康障害が生ずるおそれを行政機関から指摘されたのになにも対策をしていない場合
これも会社都合となりますが、対策をしているしていないは判断がつきづらいものがあります。
辞めるまえにかならずハローワークに相談しましょう。
出向命令やいきなりの異動が合った場合
会社都合による出向命令や異動が合った場合も会社都合が適応されることがあります。
しかし自己都合になってしまうことも多いと思いますので、ハローワークに相談してから辞めるようにしましょう。
3年以上働いていて、雇用契約を更新しないと言われた場合
契約を過去に1回以上更新していて、なおかつ3年以上働いている場合、契約更新されないときは会社都合の退職となります。
いじめや嫌がらせ、セクハラやパワハラがあった場合
この場合も会社都合になりますが、証拠集めが大変です。
メールや電話の録音、スマフォでの録画なんかも有効だと思います。
会社が法律違反をしていた場合
会社に入って気がついたけど、この会社、法律違反をしている…!となって辞めた場合にも会社都合になります。
法律を守らない会社にいたくはないですものね…。
会社都合のメリット
比較項目 | 自己都合(特定理由離職者を除く) | 会社都合 |
---|---|---|
給付残日数 | 90~150日 | 90~330日 |
給付までの3ヶ月間の待機 | あり | なし |
最短の給付支給開始日 | 3カ月7日後 | 7日後 |
国民健康保険 | 通常納付 | 最長2年間軽減 |
自己都合と会社都合ではこれだけの差があります。
重要な点として、自己都合の場合は給付されるまでに3ヶ月間の待機がありますが、会社都合の場合は1週間ですぐに失業保険が給付されるということです。
ここで気になるポイントは、自己都合のところに特定理由離職者という文字があるのに気がついたでしょうか?
辞めた理由が特定理由離職者にあたる場合、3ヶ月の待機期間をなくすことができるのです!
特定理由離職者の条件
例えば、うつになって体を壊してしまった場合や、妊娠、出産などがあった場合、親族の看病のために離職を余儀なくされた場合、などなどがあげられます。
しかし、うつになって辞めたからといって、特定理由離職者に必ずなれるわけではありません。
ハローワークによっては審査が結構厳しく、うつの診断書を持って行ってもダメな場合があります。
というか、ぼくが実際にそうでした。
窓口で相談したハロワ職員のおばさんがめちゃくちゃ上から目線で「無理ですねぇ~」という感じでまったくなにも聞いてくれません。(就業時間間近になるとスマホを机の下でいじりだすくらいヤバイ人だった)
その結果、別な会社に必死の思いで就職したんですが、やっぱりウツがあったため3ヶ月で辞めることになりました…。
そのときにさすがに「だから無理だって言ったじゃん…」と抗議したところ、別な職員の方がちゃんと対応してくれたんです。
例えどんな理由にせよ、辞める前にハローワークに相談に行くことが非常に重要です。
ハローワークの職員もさまざまですので、親身になってくれないな、と思ったら別な人に変えてみてください。
辞めた後では必要な書類(診断書等)を揃えるのが大変なこともありますので、必ず辞める前にハローワークに行って現状を相談することが肝心です。
会社はなかなか会社都合にしたがりませんが、先ほどの条件に当てはまっている場合は、会社都合になるはずです。
泣き寝入りすることだけは絶対にやめましょう!