ご存知の方もいると思いますが、治験にはさまざまな段階があります。
フェーズ1や第1相試験、などと呼ばれるもので、治験としてはフェーズ3(第3相試験)まであり、さらにその後に第4相試験と呼ばれる試験段階もあります。
治験のボランティアに参加すると、4つある内のどれかのフェーズに参加することになります。
では、フェーズによってなにが変わるのでしょうか?
できれば安全でたくさん負担軽減費がもらえるものが良いですよね。
わかりやすく解説してみますので、ぜひ参考にしてみてください!
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治験のフェーズをわかりやすく解説
フェーズ1(第1相治験)
健康な状態で治験のボランティアをすると、だいたいこの段階の試験を受けることになります。
この第1相治験というのは、動物実験を繰り返したのちに、「これだけ動物で安全性を確認したんだから、そろそろ人を対象として効果をみようかな」というものになります。
開発者が、この新薬(ジェネリック医薬品も含む)は安全そうだから治験をしてみよう、と判断されると、少数の健康な人を対象に試験をすることになります。
これがいわゆるフェーズ1と呼ばれる段階です。
ここでの目的は「安全性」「吸収や代謝、排泄など」を確認することです。
健康な人を対象としているので、「薬の薬効(効き目)」については目的としていません。
フェーズ1の前に、ある程度動物実験をして安全性を確認してはいるのですが、動物で安全が確認されても、人に対して絶対に安全であるとは限りません。
身体の構造は動物と人間では違いますので、薬を普通に販売する前に、人体でも影響を見なければいけないわけです。
ちなみに、フェーズ1で新薬を投与するときには、動物実験の百分の一の投与量にしたりと、さらに安全性を重視して治験が行われます。
投与量が少なければ絶対に副作用はでないかというと、絶対とは言い切れませんが、安全性にはかなり配慮されているということですね。
参考記事:治験でジェネリック医薬品って安全?
フェーズ2(第2相治験)
フェーズ1で安全性が確認されると、次は少数の患者に対してフェーズ2が行われます。
これはつまり、風邪の新薬が出来た場合は、風邪で悩んでる患者に対して薬を投与し、効果を見ることになります。
この段階は、治験のボランティア募集で当たることはあまりありません。
重たい病気になって、有効な薬や手術がない患者さんは、こういった治験の紹介がお医者さんからあったりします。
この段階は、負担軽減費をもらうというよりは、治療費が無料になるという場合が多いようです。
有効な手段がない患者さんにとっては、新しい薬を試せるというのは魅力的かもしれません。
しかし、薬によっては、効果がテキメンにある場合もあれば、もしくは体質によっては効果がなかったり、副作用が強かったりする危険性もなくはありません。
フェーズ3(第3相治験)
フェーズ3とは、大勢の患者を対象として行う治験で、ここでいいデータが出れば、市販の薬や病院で使う薬として世の中にでることになります。
この段階では、様々な合併症をもつ患者さんなどもボランティア対象として含まれ、より多くのパターンで実施されることになります。
フェーズ2で得られたデータを元に、新薬の用法や用量が決められます。
薬によっては、長期試験も実施することがあります。
第4相治験(市販後臨床試験)
これは治験とは呼ばれないのですが、市販された薬に対してするものになります。
薬というのは一般的に、開発されて市場に出たら終わり、というものではありません。
なぜかというと、フェーズ3までの治験は、人数が少ないために、予測できない副作用がある可能性が否定できないからです。
例えば、薬と食べ物の相性や、アルコールとの関連性など、開発段階で予測しづらい事態が起こることは、絶対ないとはいいきれません。
そのために市販後臨床治験があるのです。
フェーズ1(第1相治験)とフェーズ2(第2相治験)での薬の投与ってどんな感じ?
ボランティアで治験をする場合、フェーズ1の治験に参加することがほとんどですので、フェーズ1ではどんな感じに薬を投与されるのか気になりますよね。
何種類か、薬の投与方法はありますので、治験が始まる前に聞けば教えてもらうことができます。
単回投与試験
これは読んで字のごとく、1回だけ薬を投与して、その後の経過を見るものになります。
治験に行ったら、最初に薬を飲んだあとは、ひたすらに採血される日々を送る感じです。
単回投与試験は、主に医療用医薬品の場合に多くあります。
反復投与試験
こちらの場合は、薬を何回かに分けて投与するパターンです。
薬にかぎらず、サプリメントの治験や、たばこを止めるための禁煙補助剤などはこちらの場合が多いと思います。